筑波大学大学院に留学したミャンマー人の日本滞在体験記

日本人的発想の親切不親切

 私が留学していた時、筑波大学には外国人留学生が3000人ぐらいいました。日本語の授業は外国人ばかりですが、私の研究室には外国人は少なかったです。ですから多くの日本人に接して、親切な経験や外国人には不親切な経験もありました。

目次

1.親切と安全

2. 不親切な答え

3.なぜという質問

4.   まとめ

1.親切と安全

          日本で道に迷って、知らない人に道を尋ねたことがよくありました。ほとんどの人が丁寧に教えてくれますが、びっくりしたのは私が行きたいところまで連れて行ってくれたことです。連れて行ってくれた人は一人や二人ではありませんでした。知らない人に道を教えるだけでなく、そこまで連れて行ってくれるのは優しすぎると思いますが、日本人の親切は半端ではなく、最後まで助けるのだと思いました。

ミャンマーで私は道を聞かれたら「あっち」とか「そっち」とか簡単に教えます。でも行きたいところまで連れていくことは絶対にしません。それには理由があります。昔ミャンマーで起こった事件のせいです。車に乗っている人たちが女の人に道を尋ねました。女性が教えてあげても「分からないのでその住所まで連れて行ってほしい」といわれ、女性は車に乗りました。しかし道を尋ねた人たちは悪い人で、その女の人を中国に売ってしまったそうです。そのことを聞いてから怖くて道を聞かれても、知らない人を行きたいところまでつれていくことは絶対にしません。

          大学の留学生センターのスタッフの人たちもみんなすごく親切でした。ATM をつかって送金する方法をたずねたときは、ATMまで来て送金できるまで一緒に操作をしてくれました。これは仕事に対する責任感なのか、親切なのかわかりませんが、手伝ったら最後まで助けるのが日本人のようです。

ミャンマーの大学のスタッフとぜんぜん違います。ミャンマーの大学で職員に質問やお願いをすると、いやそうな顔をしてお義理程度の説明だけします。例えば、卒業するとき、必要があり大学4年間の成績証明書をもらいに大学へいきました。2年生の時の学生証を紛失してしまって、2年生の成績証明書だけがとれなかったので、スタッフに探してほしいと頼みましたが「忙しいので出来ない」と言われました。 仕方がないので、他のスタッフにお金を渡したら2年生の学生証明書なしでも成績証明書を発行してもらえました。

          日本人の親切は生活の安全と関係があるのかもしれません。生活に不安があったり危険なところではなかなか人に親切をすることはできませんから。

2.不親切な答え

日本人に相談をしたとき、私はYesかNoか、単刀直入に答えが欲しいのですが、説明はたいてい回って回って解釈に悩むことが多かったです。これは日本人の答え方の共通点です。直接はっきりと答えを言わなくて、どうして日本人には分かるのかと不思議に思います。

例えば、筑波大学での2年間の研究が終わり、卒業後の進路について私はとても迷っていました。帰国しないで日本に残って仕事をしたいとおもいましたが、世界遺産の研究に関連のある仕事はどういうのがあり、どう選んだらいいかわかりませんでした。そこで多くの人に相談して質問しました。例えば、観光の仕事をしたらどうかと思いある人に相談しました。「担当者としてミャンマー人の私が旅行会社で働くのはどう思いますか?」と聞いたら、「面白いですね」と答えました。「面白い」という意味は、その仕事はやった方がいいのかやらない方がいいのかわかりません。

はっきりと回答や意見をくれるのは、困っている私には親切です。でも日本人のわかりにくい間接的な答えは不親切です。日本人は親切なのに、どうして意見述べるときはわかりにくくて不親切なのでしょう。

3.なぜという質問

          私は日本で日本人に「なぜ」と聞かれるのが一番怖い質問でした。研究のことで先生と話す時も、いつもその質問を聞かれました。私は先生の「なぜ」という質問に答えたつもりでも、先生は「それは理由ではない」とよくいいました。先生には理由ではなくても私にはそれが理由です。それでも先生は「理由をもっと良く考えてください」といいました。だから、先生に相談する前に、相談したい点の理由を考えて先生に相談するようになりました。

          卒業間際に求職活動をしているときには、「なぜこの会社で働きいたい」「なぜこの仕事をやりたい」と「なぜ」という質問をたくさん聞かれました。当時私は勉強に一生懸命でしたが、留学のあとの人生を長い目で具体的に考えられなかったので、「なぜ」と聞かれて答えられないたびに、なぜなのだろうと考えるようになりました。

          ミャンマーではその質問をあまり使わないです。名前は?どこの大学で何を勉強したか?何人家族か?というような質問がほとんどですから、事実をきちんと答えるだけです。「なぜ」と考える習慣がミャンマーではなかったと思います。日本に来て、怖い質問をされてはじめて「なぜ」を考えるようになりました。

4.まとめ

          日本人は親切で有名ですが、日本人的なものの考え方に慣れない外国人にはちょっと怖かったり不親切に感じることが意外にあるのです。

著者 テッテアウン