筑波大学大学院に留学したミャンマー人の日本滞在体験記

ミャンマーの精霊のはなし

ミャンマー は仏教国で多くの人がお釈迦様を信仰していますが、他にもヒンドゥー教の神やイスラム教の神を信じる人もいます。私はビルマ族の仏教徒としての宗教観を紹介します。私たちは仏教の神様以外に、土着の精霊も信じていて、ミャンマー語でこの精霊のことを「ナッ」といいます。

目次

1.家の精霊

2.実家の精霊

3.地域の精霊

4.まとめ

1.家の精霊

ミャンマーで伝統的な精霊というと「家の精霊」です。仏教徒は家の中にお釈迦様の仏像を置く神棚があります。その近くには「家の精霊」の祠(ほこら)があります。家の精霊にはココナツやお花をそなえます。

人々はその祠がない家は繁栄していないと考えますが、精霊を信じないでその祠を作らない家ももちろんあります。

私の母は父が遠くへ行って帰りが遅れた時には、早く家に帰ってくるよう家の精霊にお祈りしていました。私の友人の家族に病人がでて入院した時も、家族のみんながその家の精霊に祈りました。家の精霊は昔からその家にいるので、私たちはいつも家を守ってくれると信じていて、重要なことをする前にはかならず家の精霊に祈ります。私のおばあさんは試験の時や重要なことをするまえには必ず家の精霊に祈りなさいと私に言いました。私も家の精霊は本当に家を守り家族を幸せにしてくれると信じています。

          ビルマ人は家に精霊を呼び入れますが、精霊が来てくれない家は繁栄しないと信じています。また精霊は昔立派だった人がなると信じていて、天国にいるような立派な精霊は37人、そうでもない精霊が37人いるのだそうです。昔悪い王様に火あぶりの刑にあって殺された立派な人が精霊になって家に来た場合は、線香は供えられてもろうそくは供えてはいけないことになっています。なぜならその精霊は火が嫌いだからです。

2.実家の精霊

          親が育った家にもそれぞれ家の精霊がいますから、結婚したあとも実家の精霊に祈らなくてはなりません。実家を離れた場合一年に一回、ふるさとの精霊のお祭りに行かなくてはなりません。ふるさとを離れている人たちもその時は地元に帰ります。帰れないときはその人の代わりに家族が何かを供えます。

          ミャンマーには霊媒がいて、家族の経済状態や将来のことなどを霊媒に質問します。あるとき、霊媒に「実家の精霊に祈りに行かないので不幸なことが起こった、実家に行って何かをお供えしてください」と知り合いにいったのを聞いたことがあります。

私の家では母が毎年実家の精霊を祈りにお祭りにいきます。私が1歳の時父の頬がひきつって曲がったので、実家の精霊祭りに行って直したと父が私に話して聞かせました。男性は比較的精霊を信じないのですが、私の父は信じています。

MinMaHarGiRi精霊の大きい祠。
MinMaHarGiRi精霊の大きい祠。女性たちが来てお供えをして祈ります。

3.地域の精霊

        各地域にも精霊がいて、その精霊が嫌いなことをしないように注意します。精霊が嫌なことをするとその村に悪いことが起こると信じられています。

例えば、メーイミョー(May Myo)という町に行くときは9人で行ってはいけません。ですからその町に行くとき、どうしても9人になってしまう場合は、石を人にみたてて持っていきます。「私たちは9人ではなく10人で来ましたよ」という意味にするためです。ビルマ人はこうして、精霊のことをいつも気遣っています。

Koe Myo Shin という精霊の神様。
Koe Myo Shin という精霊の神様。シャン(Shan)民族の神様ですがビルマ人も信仰します。シャン(Shan)地方に行く時にはこの神様に挨拶をします。

4.まとめ

                     ビルマ人が信じる精霊(ナッ)はあちこちにたくさんいます。仏教と関係があることもありますが、ほとんどは仏教がビルマに来る前から、土着の信仰として信じられていた神様たちです。精霊が嫌がることをしないに越したことはないと今でもビルマ人は思っています。

 

著者 テッテアウン

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