日本のエレクトロニクス業界とエンジニア人材

Electronic in industry in Japan

復活する日本のエレクトロニクス業界

エレクトロニクス産業は半導体を始めOA機器、液晶などお家芸と言える競争力があったのですが、90年代後半から凋落し、パソコン・スマホ全盛期にはアメリカや台湾・中国・韓国におされ続けていました。しかし日本企業各社の構造改革などが功を奏してきた昨今、パナソニック・東芝・日立などが新たな技術で業績回復しています。

 

AI IOTが変える今後のニーズ

さらにIOT時代の到来で、センサーの技、ロボットの力、部品の精細度など、日本がもともと持つ強みが追い風となり、電気精密業界はふたたび勢いを増しています。

Society 5.0 社会にむけ新たな価値を創造するうえでエレクロニクス業界は必要不可欠となるテクノロジー・製品の開発・生産を担います。

好機のなかの不安材料

この産業を支えるエンジニアは高齢化しています。また優秀な若手エンジニアの不足が問題になっています。数の問題ばかりではありません。製造業のデジタル化により求める人材の質にも大きな変化がおこっています。AI, IOTスキルを持つ人材が求められているのです。 

エレクトロニクス産業の高齢化した人材のもつ技能の継承はもちろんのことですが、新しいスキルをもつ若い人材が必要になるのです。会社規模によって求職者に格差が広がっており、若年就業者が減少する中で、中小企業での若手人材不足は深刻な状況です。

インド人エンジニア

インドは13憶人という大きな人口をかかえ、50%が25歳未満、65%が35歳未満と若く豊富な労働力があります。その中でも理系人材は、インド国家経済を支えています。90年代後半のY2K問題や経済開放などでインド人の得意な数学を活かして新たなチャンスが生まれました。これによりカーストを越えてITや技術を学ぶ機会が創出されました。その結果豊富なエンジニア人材が育成されており、インド経済発展を下支えすることにつながったのです。インドは教育に熱心で理系大学数は10837校あり、大学進学率は86%という統計があります。理系学生数は270万人。内訳は78万人が機械工学エンジニア、88万人がITエンジニア、63万人が電気電子工学エンジニアとなっています。

日本とインドの理系大学生数比較

 

インド

日本

機械工学エンジニア

780,000

70,000

ITエンジニア

880,000

209,200

電気電子工学エンジニア

630,000

110,000

合計

2,290,000

389,200

                 単位 人

そのうち毎年150万人が卒業しますが、20%の約30万人しか卒業後就職ができない状況にあります。就職が困難な理由は、インドは世界のOEMといわれ、就職先となる大企業や独自メーカーが少ないためです。その一方、インド人は英語ができるので、昔から欧米先進国へ行きやすく、海外で成功する例が多かったという素地があります。華僑とともに印僑が世界に多いのは国内の閉塞感を海外に求めるインド人のDNAのようなものなのでしょう。またアメリカにおけるトランプ政権以来、インド人エンジニアの就職先はアメリカから日本を含む他の国へとシフトしています。まさに日本に不足するエンジニアを補完する人材が インドにあるといえるのです。

written by Mitsuko Takahashi